ベル通信 Vol.024【2017年7月号】

    院長からのごあいさつ

    6月の末、梅雨の合間を縫って、瀬戸市の北西部にある定光寺公園まで蛍を見に出かけました。
    定光寺(じょうこうじ)は「ほたるの里」での鑑賞が有名ですが、患者さんより得た情報を元に定光寺公園駐車場内の派出所裏にある小川で、静かなひと時を楽しみました。今でも目に浮かびます。

    6月から瀬戸市・尾張旭市では住民検診による各種がん検診が始まっています。本年度より子宮がん検診には30・34歳限定ですがHPV検査併用検診が行われています。又、乳がん検診は視触診による検診は廃止され、40歳以上のマンモグラフィーのみを隔年に行うやり方に変更されました。よって当院での乳がん検診は終了しました。
    乳がんは女性に最も多いがんです。日本人の25人に1人が乳がんにかかっています。日本では発症のピークが40歳後半にあり、閉経後乳がんが多い欧米と異なり、閉経前乳がんの頻度が高いのが特徴です。そのため乳腺濃度の高い40歳代、30歳代に対し超音波検診の有用性が注目されています。日本では、40歳以上の女性にマンモグラフィー検診を行うのが標準です。又、40歳以上の希望者には超音波のみによる検診も可能です。更に、マンモグラフィーと超音波併用検診ではより精度が上がります。特に高濃度乳腺例や、マンモグラフィーの有効性が証明されていない40歳未満の若年者では、超音波による検診が有用です。乳がんのリスクは、近親者(母、姉妹)に乳がんの人がいる、初産年齢が30歳以上(未産婦も含む)、初潮が早い(11歳以下)などがあります。気になる方は、毎月の自己触診と年一回の乳腺専門医のいる医療機関受診をオススメします。

    昭和に起きた戦争中、ある若い兵士は「生きて帰れないのであれば、蛍になって戻って来ます。」と言い残して出撃したそうです。親からもらった大事な命です。選べる未来があるのであれば、正しい選択をして、少しでも元気でいたいものですネ。

    “20 21 49 KG 〜20歳になったら 2年に1回 子宮 頸がん ” もお忘れ無く。

    (鈴木まさし)

    ☆ 乳がん自己検診法 ☆


    happybaby00

    2017年6月にクリニックベルで誕生した赤ちゃんをご紹介いたします!

    ※ 許可を頂いた赤ちゃんの写真のみを掲載させて頂いております。


    mamakoe002

    【妊娠中】
    ・通院中にヨガやビクスに参加し、忘れかけていた呼吸法などを毎回やることで、出産に向けての心の準備ができたと思います。いい気分転換にもなりました。

    【入院中】
    ・すべてが初めてのことで、不安や疑問がたくさんある中、いつも親切に丁寧に教えてくださり、今後の育児に対する不安がやわらぎました。

    ・助産師の皆さん、質問をすると色々親切になって相談にのって下さり、とてもフレンドリーで何でも聞きやすい雰囲気でよかったです。


    kouzyou

    ・スタッフの方の名前がもっと分かりやすいと声をかけやすいかなと思いました。
    ・名札を付けていない方の名前が分からなくて、残念です。

    スタッフより
    貴重なご意見ありがとうございます。
    開院当初から使用している名札で、付けていないスタッフもおり、ご不便をおかけしました。
    今回のご指摘を機に新たに作り変えております。


    chiebukuro

    妊娠中のマイナートラブル(むくみ)

    マイナートラブルとは、妊娠によって起こる不快な症状のことをいいます。
    身体の生理的変化や心理的変化により不快症状として現れますが、医学的に異常はなく、特に治療は必要としません。今回は、マイナートラブルの中の『むくみ(浮腫)』についてお話します。

    【むくみの原因】
    ①ホルモンの影響
    着床すると妊娠を持続させるために、卵巣からの黄体ホルモンの分泌が増加します。
    この黄体ホルモンが腎臓に作用し、むくみやすい状態を作ります。

    ②血液量の増加
    妊娠により、血液は非妊娠時の1.4~1.5倍に増加します。
    血液中の赤血球・白血球などの成分量はあまり変わらず、血漿と呼ばれる水の部分が増えます。
    この増えた血液と体内の細胞組織にある体液とのアンバランスによって、むくみが生じやすい体になっています。

    ③大きくなった子宮
    妊娠後期になると赤ちゃんが大きくなり、その重みによって足の付け根の血管が圧迫されます。
    そのため血液の流れが悪くなり、足がむくみやすくなります。

    ④長時間同じ姿勢
    立ち仕事・デスクワークなど長時間同じ姿勢でいると、血液の流れが悪くなり、むくみやすくなります。

    ⑤その他
    冷えや過労、睡眠不足、ストレスなどもむくみの原因になります。

     

    【浮腫の予防・解消法】
    ①塩分摂取量を控える
    塩分を摂りすぎると、体内の塩分濃度を一定に保つために、体が水分を蓄えようとします。
    過剰な塩分摂取は控えましょう。

    ②足を高くして休む
    寝る時や休息をとる時にクッションなどを利用し、20cmくらい足を高く上げて休みましょう。

    ③温める
    入浴や足浴をして血液の流れを良くしましょう。
    冷房の効いた部屋に長時間いる場合は、上着を羽織るなどして冷えを防止しましょう。

    ④運動をする
    適度に体を動かすことが大切です。
    ウォーキングなどでふくらはぎの筋肉を動かすことで血液の流れが良くなります。
    また、汗をかくことでナトリウムも排泄されるため、効果的です。

    ⑤マッサージをする

       ふくらはぎを足首から上に向けて圧迫したりなで上げたりして、マッサージをします。
    お腹が大きくなると自分ではやりづらくなるので、パートナーにやってもらうと良いでしょう。

    ⑥着圧ソックスを履く
    靴下や足の付け根まであるものもあります。
    あまり動かない時や寝る時に着用してみても良いでしょう。
    ただし、締め付けすぎは逆効果です。

    ⑦カリウムを摂取する
    カリウムは体内に蓄えられたナトリウムを尿として排出する働きがあります。
    カリウムは水溶性で煮ると煮汁に出てしまうため、スープなどにして煮汁まで食べられるようにすると良いでしょう。

     

     

     

     

    妊娠中のむくみは、出産すると自然に解消されるものがほとんどです。心配しすぎず、上記の予防・解消法をお試し下さい。しかし、中には合併症の症状として現れることもありますので、妊婦健診を欠かさず受け、異常の早期発見に努めましょう。