ベル通信 Vol.025【2017年8月号】

    院長からのごあいさつ

    突き刺さる様な蝉の鳴き声にも慣れてくるとお盆を迎えます。盆提灯を飾ってご先祖様を迎える家庭も有るでしょう。心健やかに過ごしたいものです。

    古くから妊娠中に気をつける感染症は、TORCH症候群と言われる物が知られています。TORCH(トーチ)症候群とは、トキソプラズマ(T)、風疹(R)、サイトメガロ(C)、ヘルペス(H)などの妊娠中に罹ると胎児に影響の出る可能性の有る感染症です。例えば日本人のサイトメガロウィルスの抗体保有率は、最近では90%から70%まで下がっており、胎児が感染すると小頭症や胎児発育不全が起こったりする事があります。昨年のリオ五輪の際にはジカウイルスによる感染が話題になりましたが、幸いにも国内での発症者の報告は有りませんでした。詳しくは、ベル通信Vol.13 【2016年8月号】をご覧下さい。

    赤ちゃんとお母さんの感染予防対策5ヶ条は、
    1.妊娠中は家族、産後は自分にワクチンで予防しましょう!
    2.手をよく洗いましょう!
    3.体液に注意!
    4.しっかり加熱したものを食べましょう!
    5.人ごみは避けましょう!
    が勧められています。

    テーマパークや夏フェスなどに出かける方もいるでしょうが、頭に入れていく事が大事ですネ。

    (鈴木まさし)


    happybaby00

    2017年7月にクリニックベルで誕生した赤ちゃんをご紹介いたします!

     

    ※ 許可を頂いた赤ちゃんの写真のみを掲載させて頂いております。


    mamakoe002

    【妊娠中】
    ・通院中に受けたビクスや鍼灸がとても良かったです。

    ・マタニティヨガが呼吸法やお産のイメージにつながりよかったです。ヨガの先生が紹介してくださった本に感銘を受けました。お産が怖い、陣痛=イタイというイメージが変わりました。

    【入院中】
    ・看護師さん、助産師さんとの距離が近く、産まれた子どもだけでなく、患者の私も気にかけて下さり、安心して快適な入院生活を送れました。

    ・出産したあと、写真をいっぱい撮ってくださって思い出がたくさん残ってうれしいです。大変だったけど、たくさんのスタッフさんたちに支えてもらい、最高の妊娠・出産ライフでした。


    kouzyou

    ・男性用のトイレの場所が分かりにくいです。産婦人科なので男性の方が分かりやすいよう各トイレに”男性用は○○にあります。の表示があるといいと思いました。

    ・貴重なご意見ありがとうございます。 
    1階女子トイレと2階共同トイレ、外来掲示板に男性トイレの場所を掲示しました。
    ご不便をお掛けしまして、申し訳ありませんでした。


    chiebukuro

    妊娠中の貧血

    貧血とは、血液中のヘモグロビンが基準値よりも減少した状態をいいます。
    一口に貧血といっても様々な種類があり、その中で最も多いのが「鉄欠乏性貧血」で半数以上がこれにあてはまります。妊娠中に多い貧血もこの鉄欠乏性貧血です。

    症状
    鉄から作られるヘモグロビンは全身の細胞に酸素を運ぶ働きをしています。そのため、ヘモグロビンが減少すると体内の細胞が酸欠状態になり、様々な症状が現れます。

    原因
    ① 血液量の増加:赤血球などの血球成分よりも、水分(血漿)が増えるため、
    血液が薄まった状態になる

    ② 胎児へ供給:鉄などの栄養素は、胎児に優先して供給される

    赤ちゃんへの影響

    ・ママに貧血があると赤ちゃんに十分な栄養が行き渡らない可能性があります。
    ※ 重度の貧血は、低出生体重児や早産のリスクが上がるので注意が必要です。


    ・鉄が不足すると体内の細胞が酸欠状態になります。

    ママへの影響
    ・分娩時の出血により貧血が悪化する可能性があります。
    ・母乳は血液から作られているので、母乳の分泌が悪くなることがあります。
    ・体力が落ち、産後の体の回復が遅れることもあります。

    予防・対策
    ① 鉄分の多い食品を摂取する

    ② 鉄の吸収を促すようにビタミンCを含む食品を一緒に摂取する

    ③ 赤血球が作られるようにビタミンB6、ビタミンB12、葉酸を含む食品を摂取する

    ④ 鉄の吸収を妨げるタンニンを含む食品を同時に摂取しない
    もしくは、ノンカフェインにする

    ⑤ バランスのとれた食事を心がける 

    ⑥ 鉄剤を内服する

     

     

    たかが『貧血』と思いがちですが、ママだけでなく赤ちゃんにも思わぬ影響を及ぼすことがあります。お腹の赤ちゃんのためにも、そして出産や授乳に備え、貧血を予防しましょう。
    また、貧血と診断されたら確実に治療し、改善できるように努めましょう。