ベル通信 Vol.035【2018年10,11月号】

    院長からのごあいさつ

    平成も残す所あと半年となりました。昭和の終わりは天皇陛下の御病気の事もあり新元号を予想するなどの空気は無かったかと思いますが、今回はどんな元号になるか話題になっている様な気がします。

    今年は春先に麻疹(はしか)が流行しましたが、 夏を過ぎた頃より風疹(三日ばしか)も2012〜13年以来の流行をしています。東京を中心に関東で多く発症しており、愛知県はそれに次ぐ全国5番目の発症者数です。2012〜2013年の時は国内で通常年間1〜2名程しか発症しない先天性風疹症候群(CRS)が45名も発症しました。CRSは、妊娠初期に母親が風疹に感染すると、赤ちゃんに感音性難聴や白内障や緑内障などの目の疾患、先天性心疾患を起こす症候群です。母親が妊娠前に風疹にかかっていたりワクチンを受けていて風疹の抗体を持っているか、妊娠20週以降にかかった場合は、赤ちゃんへの影響はほとんどありません。CRSの大半は致命的ではなく、早期発見とリハビリテーションで日常生活が可能となります。

    当院では開院以来、全ての新生児に無料で聴覚検査を行っています。 そしてこの度、より精度の高い検査機器を導入しました。新生児聴覚検査は、現在愛知県内で公的補助を行なっているのは9市町村(16.7%)のみで、通常平均5000円の自己負担で行われています。聴覚障害は早期発見・早期介入によってその生活の質は大きく改善されることが明らかです。瀬戸市尾張旭市での公的補助が行われることを期待しています。

    ハロウィンは終りましたが、クリスマス、年末年始と人が集まる機会が増えます。風疹の流行が終息していない現在、妊娠20週までの方はくれぐれも人混みに行かない、行く時はマスク、帰ったら手洗いうがいをオススメします。これはインフルエンザの予防にもつながります。風疹のワクチンは妊娠中は接種出来ませんが、インフルエンザのワクチンは接種可能です。当院で対応していますので、どうぞご利用下さい。

    (鈴木まさし)


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    クリニックベルで誕生した赤ちゃんをご紹介します!

    2018年9月生まれの赤ちゃん

     2018年10月生まれの赤ちゃん

    ※ 許可を頂いた赤ちゃんの写真のみを掲載させて頂いております。


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    【外来】
    ・先生、看護師さん、助産師さんをはじめとする、すべてのスタッフの方々の丁寧な対応がすばらしく、安心して通院、出産ができます。又、託児のサービスも整っており、上の子がいても大変利用しやすく助かりました。

    【入院中】
    ・帝王切開の時、主人が立ち会い出来て主人もよろこんでいたし、私も心強くて良い出産が出来た。

    ・帝王切開での立ち会いで、赤ちゃんが良く見える様にしてくれたり、へその緒も切る事ができて、すごい感動しました。

    ・分娩台の上で助産師さんが掛けてくださる言葉で、最後まで頑張ることが出来ました。
    院長先生が出産の際、スマホで動画を撮って下さったり、写真を撮って下さったのも、なんだか新鮮で嬉しかったです。

    ・初めての出産、子育てのため、不安なことしかありませんが、助産師の方や皆さん優しく対応してくださって、教えてくださって、多くの不安は解消されました。やってみないとわからないことばかりなので、また不安なことがあったら相談させてください。


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     難聴の頻度は1,000人に1~2人と言われており、早期発見が重要です。そのため、当院では入院中に新生児聴覚検査を実施しています。聴覚障害があった場合、早期に適切な援助を開始することで、コミュニケーションの形成や言語発達の面で大きな効果が得られます。

     今まで『OAE(耳音響反射)』という方法で新生児聴覚検査を行っていましたが、多種の難聴を発見しやすい『ABR(自動聴性脳幹反応)』の機器を導入しました。『ABR』とは、聴神経から脳幹の音に対する電気反応をみる機器です。この検査で「パス」と判断された場合は聴力に問題はありませんが、たとえ「要検査」と判断された場合でも聴覚障害があるとは断定できません。

    「 パス = 聴力正常 」   「 要再検 ≠ 聴力異常 」
    ※この検査は“精密検査の必要がある児を見付ける”ためのスクリーニング検査です。

     入院中、赤ちゃんが寝ているタイミングでお預かりし、新生児室で聴覚検査を行います。耳の中に羊水が残っていたり、耳垢があるなどの理由で正常な反応が得られないこともありますが、その場合は1ヶ月健診までに検査を行います。
    検査についてのご質問がありましたら、スタッフにお尋ねください。

     

     


    chiebukuro

    赤ちゃんの黄疸

    赤ちゃんは産まれてから日に日に皮膚や白目が黄色くなっていくので、「これって、どこまで大丈夫なの?」と多くの方が心配されます。新生児黄疸は生理現象ではありますが、場合によっては注意が必要です。
    そこで今回は、黄疸についてお話します。  

    黄疸とは

    赤血球が壊れたときにビリルビンという物質ができます。
    このビリルビンが血液中に増えて、皮膚や眼球の結膜に沈着して
    黄色く見える状態を黄疸といいます。


    原因

    赤ちゃんは成人と比べて…
    ・多血(血が濃い)
    ・赤血球の寿命が短い
    ・ビリルビンを分解する肝臓の機能が未熟  

    その他の原因・・・血液型不適合、頭血腫、早産児、感染症、甲状腺機能低下症、肝道閉鎖症などの病気で黄疸が強く出る場合があります。       

    入院中の赤ちゃんは・・・

     


    治療

    光線療法といって皮膚の上から特殊な光を当てることで血液中のビリルビンを分解し排泄させます。
    そのため保育器やベッド内で、赤ちゃんを裸にして光を浴びさせます。治療中は目の網膜に影響があるのでアイマスクを付けます。重症の場合は、交換輸血が行われます。
    ビリルビン値が高値になると、ビリルビン脳症といって脳細胞にビリルビンが沈着して神経障害を残すことがあるので、基準値を設けて予防のために治療が行われます。

    ※生理的黄疸・・・生後4~5日をピークに出現し、
    肝臓の働きが成熟する10~2週間位で消失する
    ⇒ 治療の必要はない


    お家に帰ってから

    生後2週間を過ぎても黄疸が続くことがあります。
    ほとんどが母乳性黄疸で生後12週までには自然に良くなり、
    治療を必要としません。
    しかし、何らかの病気が隠れているかもしれないので、
    心配な時は病院に連絡してください。

    観察のポイント 

    こんな時は連絡しましょう。

                              

    母乳性黄疸は、生理的な黄疸なので、しっかり飲ませて、排泄を促していけばさほど心配はないでしょう。

    しかし、病気が原因で黄疸が出ている時もあるため、自己判断せずにおかしいと思ったら、病院に連絡してくださいね。