ベル通信 Vol.028【2017年11月号】

     

    院長からのごあいさつ

    先月末で、今年度の住民検診による子宮頸がん検診が終了しました。なお、無料クーポン券をお持ちの方は11月末が最終有効期限ですので、忘れずに早めに受診される事をオススメします。

    瀬戸市尾張旭市では、平成29年度より子宮がん検診に、30・34歳限定ですがHPV(ヒトパピローマウイルス)検査併用検診が行われました。対象年齢の検診受診者のほぼ全員の方が通常の細胞診とHPV検査併用検診を受けられました。当院では対象の年齢以外の方にもそのメリットをお話しした所、多数の方がHPV併用検診を希望されました。今後、公費の補助される年齢が拡大するのを期待します。しかし、海外ではHPV検査単独検診を行う時代になって来ていて、新たに細胞診とHPV併用検診を導入する国はない様です。さらに、HPVワクチンと組み合わせた新しい子宮頸がん予防戦略も提唱されている様です。これにより検診は生涯に1〜2回で済む様になるかもしれません。日本は子宮がん検診を始めたのは世界でも早い方でしたが、今では完全に後進国になり掛かっていて、海外と比べて検診で10年、ワクチンで5年以上は遅れている様です。残念ですが、現実です。

    出産適齢期と子宮頸がんの好発年齢が重なっている事は、現在放送中のテレビドラマ「コウノドリ」の中でもテーマになっていました。女性自身と生まれて来る子供達にも危険が及ばない様、HPVワクチンの積極的勧奨の再開とがん検診の受診率向上を望んでいます。

    (鈴木まさし)


     

    happybaby00

    2017年10月にクリニックベルで誕生した赤ちゃんをご紹介いたします!

    ※ 許可を頂いた赤ちゃんの写真のみを掲載させて頂いております。


    mamakoe002

    【妊娠中】
    ・各種教室やはり灸など(母乳外来を含め)産婦人科以外のサービスがとても充実していて助かりました。

    ・院長がユニーク。余計なことは言わず、聞きたいことは質問すれば丁寧に答えて下さるのが良いです。

    【入院中】
    ・助産師さん、看護師さんがよく声をかけて下さり、産後の不安がだいぶ解消されました。出産時も先生がアドバイスをして下さり、会う度に”元気?”と声をかけてもらえるのも嬉しかったです。

    ・みなさんとても熱心で入院中も安心して過ごすことができたので、ベルで出産できて良かったです。


    kouzyou

    食事はどこで調理しているんですか?調理場は院内のどこにあるんですか?
    の質問にお答えして、今回はベルの厨房についてご紹介します。

    ベルの厨房は、建物1階西側の職員食堂の隣にあります。
    診察室に近いので、外来診療中に美味しそうな匂いが漂ってくる日も…。

    ☆衛生管理に細心の注意を払い、当院専属のシェフが、皆様に美味しいお食事を提供できるように日々努力しています。

    愛知県食品衛生協会より表彰されました。

     

     

     

     


    chiebukuro

    クワトロテスト

    最近メディアから出生前検査について耳にする機会が増え、外来での問い合わせも徐々に増えてきました。
    当院では出生前検査として、妊婦健診で行っている胎児スクリーニングの他に、希望者に対してクワトロテストを実施しています。今回は『クワトロテスト』についてお話しします。

    【近年の出生前検査】
    出生前検査はお腹の赤ちゃんに先天性の病気、奇形、染色体異常がないかどうかを
    評価するために実施する診断や検査の事です。
    近年女性の社会進出により、日本の初産の平均出産年齢は約10年毎に1歳余り上昇しています。
    しかしながら女性には妊娠に適した時期があり、35歳を過ぎると卵子の老化や女性ホルモンの分泌低下から妊娠しづらく、たとえ妊娠しても維持が難しくなってきます。また、35歳を過ぎてからの妊娠は、染色体異常の確率も高くなる傾向があると言われており、出生前検査を希望する方が増えてきました。

    出生前診断の主な種類                                              
    ◎ クワトロテスト
    ◎ NIPT
    (母体血胎児染色体検査)                                                           
    ◎ 羊水検査
    ◎ 絨毛検査
    ◎ 胎児スクリーニング検査

    【検査方法】
    母体年齢固有の確率を基に、以下の6つの項目を用いて赤ちゃんの染色体異常に多いとされる
    ダウン症候群18トリソミーの他、開放性神経管奇形の確率を算出します。

    ① 母体血液中の4種類のたんぱく質成分を測定
    ② 日本人の成分基準値
    ③ 体重
    ④ 妊娠週数
    ⑤ インスリン依存性・糖尿病の有無
    ⑥ 家族歴
    ※母体年齢固有確率 → 母体が高齢になるほど、ダウン症候群や18トリソミーの赤ちゃんが生まれる頻度は高くなります。
    【検査の詳細】
    ◎ 検査時期 15週0日~21週6日
    しかし、確定診断である羊水検査を希望する可能性を考慮し、
    17週6日までに受けることをお勧めしています。
    ◎ 検査費用 21,600円
    ◎ 検査方法 腕からの採血で、食事制限や検査後の安静などはありません。
    ◎ 結果   検査から10日前後で結果がでます。

    【結果の解釈】
    クワトロテストは確定診断(染色体・遺伝子を直接分析)ではありません。
    そのため結果は「1/500」のように確率で報告されます。

    クワトロテストの結果を見て、追加検査を希望される方は

    この3点を考慮された上で医師にご相談下さい。

    ※追加検査もクワトロテストと同様に、検査時期の制限があります。
    他院紹介の場合、申し出を受けてから診察予約、検査予約など実際に検査を受けられるまで約2週間
    かかります。

    【最後に…】
    クワトロテストは手軽にできる検査ではありますが、安易に行うものではありません。
    また、あくまでスクリーニング検査です。検査内容を把握するだけではなく、ご家族と一緒に検査の必要性について慎重にご検討下さい。