新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、他の感染症のことをすっかり忘れていませんか。
実は今でも、風疹の患者数は0にはなっていません。
【風疹はどんな病気?】
症状が出る前から感染力があるため、気付かないうちに人から人へと感染が広がります。
また、大人は子どもに比べて発熱・発疹などの症状が長く続き、関節痛が強く出ると言われています。
でもこれだけなら、そんなに怖い病気とは思わないですよね?
では、なぜ風疹は恐れられているのでしょうか。
【妊婦と先天性風疹症候群(CRS)】
先述した通り風疹に感染しても、ほとんどの場合が重症化することなく治り、無症状のこともあります。
しかし、妊婦が風疹に罹った場合、胎児も風疹に罹り、先天異常を持って産まれてくる場合があります。その先天異常を先天性風疹症候群(CRS)と言います。
CRSは『妊娠20週』までに風疹に罹った場合に多くみられ、その3大症状は『白内障』『心奇形』『難聴』です。
これが風疹の恐れられている理由です!
【風疹とCRSを予防するには】
妊娠中に風疹に罹ってしまった場合、胎児への感染を予防する方法はありません。
そのため『妊娠前に風疹抗体検査や予防接種を受け、感染を予防すること』が大切です。
【予防するのは女性だけでいいの?】
はじめの表をみると、2019年は風疹報告数が多くなっています。
2019年の感染者の中で、『30~50代の男性』が最も多く、感染経路が確認されている中で『約6割が職場』だったと言われています。
「30~50代の男性」「職場での感染」が多い理由として・・・
1990年4月2日以降に生まれた男女は公費でワクチンを2回接種しているのに対し、
🔴1979年の4月2日~1990年4月1日までに生まれた男性
ワクチン接種1回のみ
🔴1979年4月1日以前に生まれた男性
ワクチン接種の機会無し
抗体保有率の調査でも、ワクチン接種の機会がない、又は1回のみの男性の抗体保有率が低いことが分っています。
その結果、この年代の男性の間で風疹が流行し、職場や家庭内で感染が拡大しました。
職場や家庭内で、妊娠を希望する女性や妊婦さんに感染を広めないためにも、『男性も抗体検査やワクチン接種をすること』が大切です。