はじめに
生後2ヵ月よりお子様の予防接種が多数始まります。
今回はその中から、BCGワクチンについてお話しします。
<BCGワクチンとは>
BCGワクチンは、ウシ型結核菌を弱毒化して作った生ワクチンで、結核を予防します。
<結核とは>
結核は昔の病気というイメージがありますが・・・
実は今でも世界の死亡原因の13位!!
その大半は、アジアやアフリカなどの開発途上国で、
結核は深刻な健康問題となっています。
<ワクチンの予防効果>
BCGワクチンの定期接種の対象は【生後1歳に達するまで】ですが、標準的な接種期間は【生後5か月から8か月に達するまで】です。
適切に接種が行われれば、接種しなかった場合の1/4も発症を抑えられ、子供に多い粟粒結核や結核性髄膜炎などの重篤な結核に対しても有効です。
また、一度接種すれば、その効果は10~15年程度持続します。
<BCGワクチンの接種方法>
管針という器具を上腕の外側中央の2か所に押し付けて接種します。
<接種後の経過と副反応>
◎接種後に脇の下や足の付け根などのリンパ節が腫れたり、赤みが出ることがあります。
◎通常の反応として、接種後5~6週頃に接種部位に赤にブツブツや一部小さな膿ができ、その後瘡蓋になって、接種後3か月程で治ります。
以下の場合は医療機関受診する必要があります。
→・膿が大きくなった
・接種後10日以内に、接種部位に赤いブツブツや膿が現れた
おわりに
日本の結核患者の発生率は、米国の4倍程度あります。
しかし、小児に限ると、米国の発生率を下回っています。
その要因として、日本で小児に定期接種されているBCGワクチンの接種効果ではないかと言われています。
結核の予防・重症化を防ぐためにも、忘れずに定期のBCGワクチン接種を行いましょう。